トルコ、イスタンブール。本当に素晴らしい旅先だ。しかし、他の観光地と比べて情報もそこまで充実していないため、期待と不安のどちらもあるのではないだろうか?
イスタンブール旅行で「旅の費用はできるだけ安くしたい」「交通手段をより快適に利用したい」という人に必見なのが「イスタンブールカード」だ。
切符いらずで超お得にイスタンブール観光を助けてくれるアイテムなのだが、現地にはほとんど説明がない。
そこでこの記事では、イスタンブールカードに関する一切合切を、実際にイスタンブール旅を満喫した私がお届けする。
このページの目次
イスタンブールカードとは?
「イスタンブールカード」とは、イスタンブール市内のほぼ全ての交通機関で使うことのできるチャージ式のICカードのこと。上の写真にあるように、日本の交通系ICカードと機能も大きさもほとんど同じだ。
効率良く観光するのに必須である「地下鉄」や「トラム」に限らず、ボスポラス海峡を越えて反対側のエリアへ行くのに便利な「フェリー」や、有料の「公衆トイレ」でも利用することができる。
イスタンブールカードで交通機関を使う際の料金を下に表でまとめた。
乗車 | 乗り換え1回目 | 2回目 | 3回目以降 | |
---|---|---|---|---|
イスタンブールカード | 2.6リラ | 1.85リラ | 1.4リラ | 0.9リラ |
ジェトン(切符) | 5リラ(乗り換え関係なく毎回購入の必要あり) |
カードを購入する必要のある「イスタンブールカード」と、1回使いきりの「ジェトン」のどちらがお得かについては、最後のQ&Aで扱う。
イスタンブールカードの購入場所
イスタンブールカードは、主に2種類の場所で購入することができる。
- 地下鉄・トラムの主要駅の自動券売機
- キオスク(小型の売店)
アタテュルク空港では、空港直結の地下鉄駅のAtatürk Havalimanı駅にある自動券売機で購入できる。その場でイスタンブールカードを購入し、そのまま電車に乗って中心街へ行くことが可能だ。
対してサビハ・ギョクチェン空港は、中心街と地下鉄などで直接つながっていないため券売機はない。空港外にあるキオスクで購入が可能ではあるが、中心街へ着いた後に最初に使うトラムなどの駅で買うといいだろう。
多くの地下鉄やトラムの駅にある券売機でもイスタンブールカードを買うことができる。観光の拠点となる「スルタンアフメット駅」や「エミノニュ駅」には、たくさんの自動券売機が並んでいる。
イスタンブールカードの買い方
購入方法は、駅などにある自動券売機で買う場合と、キオスクなど売店での場合で違う。どちらの場合も購入は難しくないので安心だ。
①自動券売機の場合
イスタンブールの券売機は多言語に対応しており、日本語もある。画面の左側に4つあるボタンの一番上か下のボタンで言語を変更できる。
一番下にある “Istanbulkart – 6.00TL” と書かれた選択肢を選んで、10リラ紙幣を入れれば購入は完了だ。
自動券売機は、紙幣のみに対応している。硬貨やクレジットカードでは購入することができないので注意が必要だ。
自動券売機で買う場合、カードの値段は10リラである。内訳はカード自体の値段として6リラ、残りの4リラはカードにチャージされている。
キオスクの場合
“istanbulkart” や “Akbil” といったマークが売店にあれば、それはイスタンブールカードを売っている証だ。“Istanbul card please” と言えば購入することができる。
しかし、キオスクの場合だとカードの本体料金が7リラとなり、駅の券売機で買うのと比べて1リラ高くなってしまう。
旅行中イスタンブールカードを使うと決めている場合は、最初に使う地下鉄やトラムの駅の券売機で購入することをおすすめする。
イスタンブールカードのチャージ方法
イスタンブールカードは、駅の券売機で簡単にチャージすることが可能だ。
- 自動券売機の画面の右にある “ISTANBUL KART” と下部に書かれた四角いカードリーダーに、イスタンブールカードを置く。
- 現在の残額を確認する。購入直後であれば、3つ表示される四角の一番左に4リラと表示されているはずだ。
- チャージしたい額分の紙幣を投入する。時間制限に気を付けよう。
チャージは券売機さえあれば、とても簡単にできるが「チャージする額」には注意が必要だ。
チャージする金額を事前に選ぶことができないところが厄介な点。「20リラの紙幣を入れて、そのうちの10リラ分をチャージする」ということができないのだ。入れた紙幣の額が丸々チャージされてしまうので、高額紙幣を持っている際は十分に注意しよう。
最初にいくらチャージするべきか
最初に10リラ程度チャージするのが無難であろう。足りなくなったら、また駅の券売機でその都度チャージしていけばいい。どうしても心配であれば、最初の章にある料金表と自分の観光プランとを見比べて、合計いくらかかりそうか計算してからチャージするといいだろう。
参考までに私の場合、3泊4日の滞在で合計30リラをチャージした。
旧市街ど真ん中のホステルに泊まったため、近隣の観光は歩いてできた。しかし、歩くと少し遠い「ベシクタシュ」へはトラムを使い、「カドキョイ」や「ウシュキュダル」といったボスポラス海峡の反対側のエリアに行く時には往復でフェリーに乗ることが必須のため、思っていたよりも使うことになったのだ。
チャージ金の返金方法とカードの有効期限
前提として、イスタンブールカードは購入するものである。借りているのではない。最初に払った6リラは返ってくるデポジット金ではなく、カード本体の料金なので返ってこない。
チャージした分のお金は返金申請することが可能だ。とはいえ、返金の手続きには書類などを提出する必要がある上、指定の口座に振り込まれる形となるため、非常に面倒くさい作業となる。返金はできないと考えておいた方がいいだろう。
そのため、なるべくこまめに少額をチャージすることをおすすめする。
ちなみに、イスタンブールカードに有効期限はない。私自身、次にイスタンブールを訪れる際に使おうと思い、今もカードを大事に持っている。もしも、周りに「旅行でイスタンブールに行く」という人がいれば、その人に粋なお土産としてあげるのもいいかもしれない。
イスタンブールカードに関するその他Q&A
ここからは、「よくある質問」や「私が現地で初めて知ったこと」を、Q&A形式でまとめた。参考になれば幸いである。
質問①:複数人でも使えるのは本当か?
イスタンブールカードは1枚で最大5人まで同時に使うことができる。
複数人での使い方は簡単だ。一人目がカードをタッチして改札を通過する。次の人は一人目から改札越しにカードを受け取り、同じイスタンブールカードで改札に入場することができる。これを最大5回繰り返すことができるのだ。
複数人で使えば、カードの本体料金も重複して取られることがないので、さらにお得に使えるのだ。
私は一度改札に入る時、チャージ金額が足りず、チャージのできない小銭しかないという状況に陥った。その時一緒に行動していたトルコ人の友達は、自分が改札を通った後に腕を伸ばしてもう一度タッチして「通っていいよ」と言ってくれた。トルコ人は優しい。
質問②:ジェトンとはどちらがお得か?
「ジェトン」とは、コイン型の切符のことだ。イスタンブールカードはジェトンより、2つの点で勝っている。
- 手間:ジェトンは乗車前に毎回、券売機で買う必要がある。
- 値段:ジェトンだと一回の乗車で5リラする。
1回の乗車で2.4リラもジェトンの方が高いため、3回利用すればカードの方が7.2リラもお得だ。これでカードの本体価格である6リラのもとが取れてしまう。ちなみに、空港から旧市街へは一度乗り換えをしなければいけないので、往復合計で4回使うことになる。
つまり、空港と中心街の往復だけでイスタンブールカードの方が安くなるのだ。
また、ジェトンの場合だと乗り換えする時に毎回5リラでジェトンを買わなければならない。しかしイスタンブールカードなら一回目の乗り換えには1.85リラに、二回目には1.4リラに割引されていくのだ。乗り換えの多いイスタンブールではとても助かる。
交通機関を使えば使う程、イスタンブールカードの方がお得になるのである。
質問③:トランジット時にも利用できるか?
アタテュルク空港でのトランジットで、イスタンブール市内に行きたい場合は、ジェトンよりもお得なので買うことをおすすめする。サビハ・ギョクチェン空港の場合、市内でトラムなどを使いたいのであれば、質問②を見てイスタンブールカードの方が安く済むと思えば購入すれば良いだろう。トランジットだから買えないということはない。
問題となるのは、現金が手に入るかどうかだ。ATMで現地通貨の引き出しができる人の場合、空港で20リラを引き出してイスタンブールカードを購入・チャージすることは簡単にできる。
おわりに
以上、イスタンブールカードの詳細情報とよくある疑問への答えをまとめてきた。
イスタンブールは全く違う雰囲気を持つエリアが盛りだくさんにある場所だ。イスタンブールカードを活用して、ぜひお得に効率良くたくさんの観光スポット・エリアを満喫してほしい。