海外旅行をする上で予約するものはたくさんあるが、一番悩むのは航空券ではないだろうか?
旅行費用の中で一番高いと言ってもいい飛行機のチケット。なるべく安いものが売られていないか、毎日比較サイトをチェックする人も多いと思う。かくいう私もソウル旅行へ行く際に、最安のチケットを求めて日々サイトを巡り続けた。
そしてついに見つけたのだ!格安でソウルに行く裏ワザを発見をしたのである。
それが、茨城空港発の便だ。「茨城なんて遠いから、いくら航空券が安くても交通費が高くなる」と思った方に伝えたい。東京駅から「500円」でバスが出てるのだ。
今回の記事では、東京から茨城空港を利用して安くソウルに行ける方法をリポートする。
私の旅程の基本情報
早速、私のソウル行の航空券の基本情報から紹介していく。
チケット代 | 19440円(往復) |
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航空会社 | イースター航空(往復) |
時期 | 2018年10月上旬 |
旅程 | 【木曜日】 17:10 茨城空港発 19:25 仁川国際空港着 【土曜日】 14:00 仁川国際空港発 16:10 茨城空港着 |
今回の旅は、チケットを探し始めるのが旅行の3週間前からと遅くなってしまった。その頃には成田発の便は一番安いものでも往復で3万円を超えるものばかり。
そんな中、たまたま見つけた茨城発のチケットだけが2万円を下回る料金だったのだ。さらには、東京駅から500円のバスでアクセスできることを知り、即決で購入を決めた。
なぜ茨城空港発がお得なのか?
それでは、なぜ茨城発のチケットは安いのだろうか。これには3つの理由がある。
交通費が安い!
実は、茨城空港への交通費はかなり安く済んでしまうのだ。
茨城空港へは東京駅からワンコインの500円で直通のバスが出ている。これに対して、東京駅から成田空港は最安でも900円。これは、シャトルバスを事前予約した場合の値段である。
なんと所要時間で見ても、東京駅―成田空港間が約1時間、茨城空港へは1時間半で大きな違いはないのだ。
空港使用料が安い!
茨城空港はコスト削減に取り組んでいるため、「空港使用料」が安い。これは、チケットの料金に「その他」として含まれているものなので、気にしたことのある人はあまりいないであろう。
成田空港の空港使用料は、出発するターミナルによって変わるが、1540~2610円である。対して、茨城空港はたった520円。なんと成田の空港使用料に比べて、3分の1以下の料金なのだ。
これは、わずかな差かもしれない。しかし、航空券をできるだけ安くしたい人にとってはありがたいことであろう。
イースター航空が安い!
茨城空港から仁川国際空港へ就航しているのは、韓国のLCCである「イースター航空」だ。
LCCとは、ローコストキャリア(Low Cost Carrier)の略で格安航空会社のことだ。機内食の提供や荷物の預け入れなどを有料とする代わりに、チケット代を安くしている。ソウルまでは短時間のフライトなので、機内の快適さにそこまでこだわらなくても問題ないため、LCCは最適だといえる。
格安のバスに乗って、格安の使用料で利用できる空港まで行け、そこから格安の航空券でソウルまで行ける。これが茨城空港なのだ。
茨城空港情報
茨城空港を利用したことがない人が多いと思うので、まずは基本的な情報を紹介していく。
基本情報
正式名称 | 茨城空港(IBR) |
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住所 | 〒311-3416 茨城県小美玉市与沢1601番55号 |
営業時間 | 6:00~21:00 |
就航先 | 【国内線】 札幌、神戸、福岡、那覇 【国際線】 ソウル、上海、台北 |
設備 | レストラン、売店、コンビニ、無料駐車場(1300台) |
「IBR」という空港コードがチケットに表示されるのは、慣れないものだろう。だが、茨城空港はソウルの他に上海と台北にも就航しており、れっきとした国際空港なのである。
また、茨城空港の駐車場は何日でも無料で停めておくことができる。茨城空港は車で空港まで行きたい人にとっても使いやすいのだ。
実際に茨城空港使ってソウルに行ってみた
まずは茨城空港行きバスの基本情報を、そして実際に利用してみてのリポートをお届けする。
運行区間 | 東京駅ー茨城空港 |
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料金(片道) | 航空機利用者:500円、その他:1200円 |
所要時間 | 約1時間30分 |
バスの予約方法
東京駅から茨城空港までのバスは、原則として予約が必要だ。空きがある場合は、予約が無くても乗車ができるが、念のため事前に予約しておいた方がいいだろう。
予約や時刻表の確認は、このウェブサイト上で可能だ。
目安として飛行機出発時間の2時間前に到着するバスを選ぶと、万が一渋滞などにはまっても安心できる。
私の場合は飛行機が17:10発であったので、東京駅を13:30に出て茨城空港に15:10に到着するバスを予約した。
①東京駅のバス停まで
茨城空港行きバスは、「東京駅八重洲(やえす)南口高速バス乗り場」から出発する。
「八重洲口」と呼ばれる出口は、「八重洲北口」「八重洲中央口」「八重洲南口」と3つもあるので注意しよう。この「八重洲南口」から、外に出てすぐにバス乗り場が立ち並んでいる。
白い大きな文字で3と書かれた場所に、茨城空港行きのバスが来る。
遅くともバスの出発時間の10分前には、3番乗り場に着いておこう。私は15分前に到着したが、既に10数人の人が列をなしてバスを待っていた。並んでいる人の中に日本人は少なく、ほとんどがソウルに帰るであろう韓国人であった。
韓国へ観光へ行く日本人は多いが、茨城空港から行くというルートはまだあまり知られていないようだ。
②バスの中
バスは料金後払いで自由席だ。
バスの内装は極めて普通。とても500円で乗せてくれているとは思えない。無料のWi-Fiが通っているのはありがたかった。席にコンセントがあるという情報も事前に見たのだが、このバスにはなかった。(帰りのバスにはあった。)
1時間半の移動なので途中に休憩はないが、バスにはトイレが付いていた。私はWi-Fiをつなげた携帯でソウルでの観光プランを練ったり、徐々に田園風景となっていく車窓からの景色を楽しんだりした。
③茨城空港への到着
特に渋滞にはまるなどのトラブルもなく、バスは到着予定時刻の15:10よりも早い15:02に到着した。
降りる際に払う運賃は、「航空機を使うか使わないか」で料金が変わる。私の航空券の場合、「パスポートチェックイン」というシステムが取られており、事前にe-チケットを印刷することができない仕様であった。つまり、飛行機に乗ることを証明できる航空券がないのだ。
しかし、その心配の必要は全く必要なかった。私が上記の旨を伝えると、運転手さんに「乗る便が分かればいいよ」と言われ、準備していた携帯の画面も見せることなく500円を支払ってバスを降りた。
茨城空港は、成田空港や羽田空港に慣れている人にしてみたら、かなり小規模な大きさだ。幅はわずか120m程だそう。これは、幅1kmを超える成田空港の約10分の1の大きさだ。
写真に写っているのが、建物の1階フロア全体である。チェックインカウンターは写真手前が国際線用、奥が国内用で、合計2つしかない。
小さな空港だが設備は充実している。コンビニはもちろん、土産物店、レストランやカフェまである。土産物店は、「東京バナナ」などの東京土産だけでなく、茨城の特産品も扱っているので、お土産を買い忘れていても安心である。
また、飛行機の離陸や着陸を間近に見ることができる展望デッキはおすすめだ。これは、茨城空港ならではの体験であろう。
展望デッキ。茨城空港は自衛隊と共用されているため、運がよければ自衛隊機の訓練の様子を見ることもできる。
節約旅行がモットーの私は、展望デッキで自衛隊機が轟音をとどろかせて訓練を行うのを見ながら、コンビニで買ったおにぎりを頬張った。
④搭乗手続き
茨城空港を利用して一番良かった点は、搭乗手続きの簡単さである。
なんといっても速い。チェックインから荷物検査、出国審査を経て、待合ロビー到着までにかかった時間はなんと約3分。ちなみに、出発の1時間前に手続きを始めた私は、一度も並ぶことなく終わった。時間をずらせば、並ぶことも一切ないのだ。
さらに、全ての施設がコンパクトにまとまっていることも手続きの早さの一因である。
上記は、待合ロビーの写真だ。中に入ってしまうと、小さな土産物屋と自動販売機しかないため、チェックインは遅めしてもいいだろう。
⑤搭乗からソウル到着まで
通常の大規模な空港では、搭乗にボーディングブリッジを用いる。飛行機の入り口の高さに合わせて「橋」を渡るタイプのものだ。対して茨城空港では、タラップと呼ばれる階段を上って飛行機に搭乗する。
LCCなので、座席にはモニター画面どころか音楽が聞ける端子もなかった。だが、2時間半もないフライトなので、そのようなものがなくでもあっという間にソウルに到着した。
ちなみに、CAさんは笑顔で接客してくれて、お水も無料で何度も配りに来てくれた。このように、サービス面は充実しているので安心だ。
特にトラブルもなく、飛行機は予定より10分早く仁川国際空港に到着した。
おわりに
以上、ソウルへ安く行きたい方におすすめの茨城空港経由のルートをご紹介した。
私は、「搭乗手続きに3分しかかからない」というストレスフリーな点で茨城空港をかなり気に入った。もし次の旅で、茨城空港からの便があれば、ぜひまた利用したいと思っている。
ソウルは依然日本人に大人気の観光地だ。みなさんも、茨城空港を使って、周りの人と少し違った方法で安くソウル旅行を楽しんでみてはいかがだろうか。